娘と一緒に読もうと図書館で借りてきた本。
たそがれ屋敷に住む姉妹、スゥとルゥルゥ。
そこへやってきたお手伝いのルチアさん。
ルチアさんはどこにでもいそうな太ったおばさんなのだけど、
なんだかちょっと違う。
姉妹がレースの宝物箱に入れて、大切にしている水色の光る石。
ルチアさんは、その石そっくりに、水色に光っている。
それがなんなのか知りたくてしょうがない姉妹。
そして、そんな姉妹と出会って、
母について考え出したルチアさんの娘ボビー。。
それから何年も経ち、そのころを回想しながら語るボビーの手紙が印象的でした。
容易に答えの見つからない問いを、ぐるぐる考えて過ごした時間の
なんと多かったことでしょう。心の満たされた働き者の母には、
とんと縁のないことだったろうと思います。(中略)
でも、そんなあれこれについて思いをめぐらせながら過ごすことの方が
私には向いていたのだと思います。だって、そうしているときの自分が
いちばん自分らしく思えたのですから。
娘に読み聞かせているうちに、その先がどんどん知りたくなって
一人で一気に読んでしまいました。
160ページくらいの物語なのですが、子ども時代から老年期までを、
登場人物たちと一緒に過ごしたような不思議な感覚。
出久根育さんの挿絵が、その世界をさらに温めていて、
なんども読み返したい本です。